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■お墓の相続ってどうなるの?専門家が解説
家族が亡くなったとき、相続について考えなければなりませんよね。
相続するものは、家や土地などさまざまなものがありますが、「お墓」も相続がするもののひとつです。
お墓は、預貯金などのように分配ができないため、相続で悩むは少なくありません。
そこで今回は、お墓は誰が継ぐのか、費用はかかるのかなど、お墓の相続を詳しく解説いたします。
お墓の相続について考えている方は、ぜひ知識として役立ててください。
Contents
お墓を相続する人というと、まっさきに“長男”が思い浮かぶ人が多いでしょう。
もちろん、故人の長男にあたる人がお墓の相続を行うケースは多いです。
しかし、必ずしも長男でなければならない決まりはありません。
お墓を相続は、「祭祀承継者」であれば、誰でも引き継ぐことが可能です。
お墓を相続する人は、「祭祀承継者」と呼びます。
この祭祀承継者は、民法で定められた“優先順位”があり、基本的にはその順番にそって決定することが多いです。
<祭祀承継者の優先順位>
1.長男 2.配偶者 3.両親 4.兄弟姉妹 5.その他の親族 |
一番優先されるのは“長男”であるため、お墓の相続を長男が行う流れが一般的です。
ここまで見ると、お墓の相続は長男が行うもののように思えます。
しかし、故人が生前の残した遺言で、お墓の相続人を指定していれれば、そちらが優先されます。
お墓の相続人が、故人の友人や知人であっても有効です。
お墓の相続人について、民法上でも、血縁関係のない人へ継ぐことは認められています。
ただし、法律的に問題がなくても、親族以外の人へ譲渡ができない墓地や霊園もあります。
遺産を相続する場合、相続税が発生します。
そのため、「お墓を相続するのにかかる費用」が心配な方も少なくないでしょう。
実は、お墓の場合、他の相続とは異なり、相続税の支払いが不要です。
課税対象から外されているため、税金を支払う必要がないのです。
また、相続税のほか、固定資産税の支払いもありません。
つまり、お墓を受け継いでも、税金は一切かからないので、費用面での心配は無用です。
お墓を相続したら、名義変更を行う必要があります。
墓地や霊園によっては、名義変更を行う際に手数料がかかることがほとんどです。
名義変更の手数料については墓地や霊園によって異なり、公営か民営によっても違いがあります。
公営の場合は、安くて500円程度で、高くても3,000円が相場です。
民営の場合は、公営よりも少し高めなので、5,000円程度が一般的です。
なかには、1万円ほどかかることもあります。
管理費は、墓地や霊園に支払う使用料のようなものです。
管理費については、お墓を購入したときに一括で支払っている場合もあれば、毎年一定額支払いが必要な場合もあります。
故人が一括で支払いを済ませていれば費用は発生しませんが、毎年管理費を支払わなければならない場合は、お墓の相続人に支払い義務が移ります。
お墓の継承者になった人は、相続をする手続きを行う必要があります。
お墓の名義人が亡くなった後、手続きをしないままでいると、無縁仏となる場合もあるため注意が必要です。
相続すると決まったら、早めに手続きを済ませておきましょう。
<相続に必要なもの>
お墓を相続するには、次のものが必要です。
・霊園、墓地の名義変更申請書 ・戸籍謄本 ・使用許可証 |
<お墓を相続する手順>
名義変更申請書に必要事項を記入して、提出します。
名義変更申請書は、霊園・墓地によって異なるため、事前に連絡をしてもらいに行きましょう。
この際、戸籍謄本や使用許可証の提出が必須となります。
使用許可証は、お墓を購入したときに発行される、使用権を得た証明になる大切な書類です。
ここまで、お墓を相続する方法について解説いたしました。
ですが、なかには、相続をする人がいないケースもあるでしょう。
核家族化が進み、未婚率が上昇している今、お墓の継承で悩む家庭は多いです。
お墓は相続税がかからないことからもわかるように、財産としての扱いにはなりません。
そのため、家族が亡くなったからといって、必ずしも相続する必要はないのです。
相続が難しい場合は、お墓の相続を放棄することもできます。
お墓を放棄するといっても、そのまま放置するということではありません。
お墓を墓地や霊園へ返還するという形です。
お墓を返還する方法や手続きについては、納骨や墓石の有無によっても異なります。
お墓の放棄費用についても、バラバラです。
墓石があれば、墓石の解体費用は数十万円かかりますし、魂抜きの費用も数万円かかります。
また、永代使用料を支払っていた場合も、お墓の返還により費用が返ってくることはないため注意が必要です。
いずれにしても、お墓を返還は費用が伴うため、放棄するにしても親族と十分に話し合いましょう。
お墓を継ぐにしろ、返還するにしろ、トラブルだけは避けたいものですよね。
相続をスムーズに終わらせるには、事前準備が重要になります。
一番良いのは、故人が生前にしっかり終活をしておくことです。
誰にお墓を継いでもらうのかを考え、話をすることが大切。
事前にお墓をどうするのか決めておけば、亡くなった後のもめごとを避けられます。
「まだ先のこと」と思わずに、残された家族のため、できるだけ早いうちに終活をしておきましょう。
亡くなった後、お墓をどうするかについては、家族全員での話し合いが必要です。
誰が引き継ぐべきか、相続できる人はいるか、返還する場合は費用をどうするかについて、しっかり決めておきましょう。
また、墓地の継承者については、墓地・霊園によって決まりがあるため、誰に継承できるかの確認も重要です。
お墓は、相続税がかからないため、継ぐ上で費用はかかりません。
必ずしも相続しなければならない決まりもないので、墓地や霊園へ返還することもできます。
また、民法上では、血縁関係のない人でも継ぐことが可能です。
しかし、霊園や墓地によっては、継承できる人を制限している場合もあります。
お墓の相続に関しては悩む人が多いも問題なので、いざというとき慌てないためにも、事前に話し合いをしておくことが肝心です。