遺品整理のブログ
■故人が住んでいた賃貸住宅の退去の手順と方法を紹介
賃貸住宅に一人で住んでいた親族が亡くなった場合、故人に代わって相続人が退去の手続きをしなければなりません。
入居者が亡くなれば、賃貸借契約は相続人に引き継がれるため、必ずしも直ちに退去しなければならないものではありません。
しかし、契約している限りは、毎月の家賃が発生するため、気持ちに余裕があるのなら、なるべく早く退去手続きをした方がいいでしょう。
今回は、故人が住んでいた賃貸住宅の退去手続きの方法について、説明していきます。
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故人が住んでいた賃貸住宅を退去するまでの手順は、以下のとおりです。
では次から、それぞれの内容について、詳しく説明していきます。
まずは、故人が住んでいた部屋の大家さん、または管理会社に連絡して、「住んでいた人が亡くなったので解約したい」と伝えましょう。
その際、大家さんか管理会社と、退去日を決めることになります。
ただし、基本的に、退去日を完全に自由に決めることはできません。
なぜなら、一般的に、退去通知は退去日の1カ月前までにしなければならないからです。
そのため、故人が亡くなってからも、最低1カ月分の家賃の支払いが必要です。
また、賃貸借契約書に、退去通知の期限が明記されている場合もあります。
例えば、「退去通知は退去の2カ月前までにすること」と明記されていれば、退去日に指定できるのは、最短でも大家さんや管理会社に連絡をした日の2カ月後です。
退去通知から規定の期日が経過した後でも、退去日の日程を指定できるケースと、できないケースがあります。
契約書に「退去日は月末」と明記されている場合は、自由に日にちを指定できません。
退去日を決めたら、その日までに部屋を片付けて、新しい人が住める状態にしなければなりません。
片付けにかかる期間や、自分のスケジュールを考慮したうえで、退去日を決めるようにしましょう。
退去日が決まったら、故人宅の電気・水道・ガスの解約手続きを進めます。
各契約会社に電話をして、解約したい旨を伝えましょう。
解約手続きにはいずれも、各社の「お客様番号」が必要です。
お客様番号は検針票に記載されているので、それぞれの検針票を故人宅から探し出しておきましょう。
電話では、各会社に退去日を伝えます。
これにより、退去日に合わせて、電気・水道・ガスの供給を停止してもらえます。
続けて、部屋を空の状態で明け渡すため、遺品整理を行いましょう。
遺品整理とは、故人宅から、故人の遺品を片付けることを指します。
遺品の処分は、自分でする方法と、業者に依頼してやってもらう方法の2つがあります。
どちらの方法を選ぶかは、部屋の広さや遺品の量、内容物に応じて決めるといいでしょう。
故人の部屋が狭く、物が少ないのなら、自分でも遺品整理は可能です。
反対に、以下のような場合は、自分でするには時間と手間がかかりすぎるため、業者に依頼することも検討してみましょう。
ここでは、遺品整理を自分でする方法と業者に依頼する方法、それぞれについて説明していきます。
遺品整理を自分でする場合の手順は、以下のとおりです。
(2と3の手順は、逆でも問題ありません)
まずは、故人宅にある物を、残す物と処分する物に仕分けします。
最終的に部屋を空にする必要があるので、金銭的な価値のある物や、形見として残しておきたい物、自分で使いたい物などは自宅に持ち帰りましょう。
いらない物は、故人宅のある自治体のルールに則って分別し、ゴミに出しましょう。
粗大ゴミは、故人宅のある自治体の「粗大ゴミ受付センター」に申し込みをすれば、回収してもらえます。
遺品整理を業者に依頼する場合の手順は、以下のとおりです。
まずは、故人宅がある地域の遺品整理業者を探しましょう。
インターネットで「地域名 遺品整理業者」と検索すれば、複数の業者が見つかるはずです。
良さそうな業者をいくつかピックアップしたら、相見積もりをとって、見積額とこれまでの実績などから、依頼する業者を決めます。
業者を決めたら、正式に依頼をして、作業日程を決めましょう。
作業日当日、業者のスタッフが故人宅に来て、不用品を全て、運搬・回収していってくれます。
故人が住んでいた部屋を空にして、退去日が来たら、退去の立ち会いをします。
退去の立ち会いの流れは、以下のとおりです。
退去の立ち会いは、部屋の破損箇所等を確認し、修繕にかかる費用を、借主と貸主のどちらが負担するかを決める目的で行われます。
故人が原因の破損箇所等を直すのに必要な費用は、故人が入居時に支払った敷金から差し引かれます。
原状回復費用が敷金より多い場合は、相続人が負担しなければなりません。
自分が住んでいたわけではないので、破損の原因が故人にあるかどうかは分からないでしょうが、担当者の質問に対して、分かる範囲で回答しましょう。
破損箇所等をチェックしたら、立ち会いの証明として、サインをします。
最後に、鍵を返却すれば、退去手続きは全て完了です。
賃貸住宅に住んでいた親族が亡くなって、遺産を相続した場合、相続人が行う賃貸住宅の退去手続きと手順は、以下のとおりです。
基本的に、故人が亡くなった場合の退去手続きは、通常の退去手続きと何ら変わりありません。
つまり、何も難しいことではないのです。
賃貸住宅に住んでいた親族が亡くなったという方は、ぜひこの記事を参考にして、退去手続きを進めましょう。